近年、もともと清掃業を扱っていない企業が業界へ進出することも少なくありません。大手の名前がついているだけでなんとなく任せてみようかと思った り、何かを依頼したついでに提案されたクリーニングサービスを利用してみようかという気になったりするかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。
清掃業界はそんなに簡単に進出できるものか?
現在は、大企業でもリストラで人件費を抑えたり、利益を確保したりと、大変な時代だと言えます。そのような状況で、清掃業界へ新たに進出し、人材を確保・教育し、実働部隊をつくる余裕があるでしょうか。おそらく答えは「NO」でしょう。
派遣社員やフランチャイズ加盟店、中小清掃会社もしくは個人経営の業者へ外部委託(アウトソーシング)しているというのが実情と言えます。場合に よっては、自社ノウハウの蓄積がないまま委託することもあります。そうして任せきりとなると、個々の下請け業者による実力差が仕上がりに直結してしまうの です。
ここにもフランチャイズ加盟店VS中小の関係が……
大手清掃会社の清掃業務のほとんどは外部委託ですが、手数料や広告宣伝費・自社開発費などが差し引かれると、フランチャイズ加盟店に支払われるの は、元の金額の50%近くになっていることすらあります。その結果として、企業形態を維持するため、件数をこなすために、時間に追われた仕事になってしま うことは想像に難くありません。
また、フランチャイズ展開をしている大手清掃会社の場合、業務経験の浅い方になるとマニュアル化してしまう傾向があります。一概には言い切れません が、余裕がないためプラスアルファの作業をしてくれることはほとんどありません。そのため、お客様の目でしっかりと確認することが必要となります。
モチベーションが品質に
下請け業者である中小清掃会社がいかに志を高く掲げていたとしても、時間に追われて、低価格な仕事ばかりしていると、価格下落に比例してモチベーションが下がってしまうことは容易に考えられます。それが作業の品質につながるってくるのです。
もちろん大手を経由して派遣された下請け業者が一概に低品質だとは言い切れません。しかし、大手清掃会社の下請け業者は入れ替わりが激しく、なかな か固定化しないと言われています。はじめこそサービス内容に納得していたのに、その後、毎年のように作業者が変わって品質の低下が目に余り、結局、他の会 社を探すといったケースもあります。
中小・零細の清掃業者であっても、品質を高くキープできていれば自然と仕事が増え、どこかの下請け専属として留まることはありません。反対に、極端 に価格が安い業者などは、利益維持のため作業を早くすませることばかりに集中し、品質は二の次となってしまうこともあるのです。
清掃業者それぞれのスタンスや価格設定、品質に対するこだわりを知ることも、業者選びの重要なポイントとなってきます。